地盤品質判定士の資格制度設立の背景と意義


地盤品質判定士の資格制度設立の背景と意義

 東日本大震災の発生から4ヶ月後,地盤工学会は「地震時における地盤災害の課題と対策―2011年東日本大震災の教訓と提言(第一次)―」を公表し,東日本大震災が提起したことの一つとして「公共構造物と私有財産の安全性レベルの落差」を指摘し,既存や新設の宅地の評価(品質判定)ができる「地盤品質判定士」の資格制度の創設を提案しました。2012年6月に公開した第二次提言でも「地盤工学の専門知識と倫理観を有する技術者が,社会において適切に評価され,地盤の品質を確認及び説明する業務において幅広く活躍することによって,主に宅地における地盤災害の防止や軽減に貢献することを目的として,新たな技術者資格『地盤品質判定士(仮称)』の制度を設立する」と述べています。
 工学は社会システムの一部として活かされる時に初めてその実質的貢献が発揮され,技術者資格制度は社会からの強い要請から作り上げられるものとの提言趣旨に従い,地盤工学会・日本建築学会・全国地質調査業協会連合会を代表に住宅や宅地の関係諸団体の参画により地盤品質判定士制度を運営する地盤品質判定士協議会が2013年2月に発足しました。 
 この資格制度の目的は,宅地の造成業者,不動産業者,住宅メーカー等と住宅及び宅地取得者の間に立ち,地盤の評価(品質判定)に関わる調査・試験の立案,調査結果に基づく適切な評価と対策工の提案等を行う能力を有する技術者を社会的に明示することを通じて,国民が専門家の知識・経験を活用できる社会システムを構築することにあります。

地盤品質判定士及び補に期待される役割

 本資格制度では「地盤品質判定士補」と「地盤品質判定士」を設けており,有資格者は,地盤の品質を判定できる専門的知識と経験及び技術力によって,住宅及び造成宅地の防災・減災を通じて国民の住環境の安全性向上に寄与することが期待されます。

地盤品質判定士の検定試験の概要と狙い
 検定試験は,多肢択一試験(一次試験)と記述式の筆記試験(二次試験)によって行われ,住宅地の造成,地質・地形・地盤調査,住宅等の基礎,地盤の液状化や安定性評価,基礎の沈下や傾斜,地盤改良と地山補強,及び技術者倫理といった専門的な知識,及び,関連する技術力・経験を確認するものです。
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