岩盤物性は,岩盤斜面・トンネル・地下空洞などさまざまな構造物の設計・施工に必要な地盤情報である。岩盤には様々な不連続面が発達することから岩盤物性は,原位置試験で求めるのが基本となる。しかし,岩盤試験が実施できるのはコストの面からダムや原子力発電所などの大規模プロジェクトに限られ,また,試験個数(供試体数)も最小限となることが多い。このような理由から,岩盤物性の評価・設定に際しては,試験の実施の有無に係わらず類似岩盤における既往の岩盤試験データを参考にすることが極めて大切となっている。岩盤条件の類似性の判断には岩盤分類が利用されるのが普通である。
本研究委員会の目的は,これまでに蓄積された様々なプロジェクトの貴重な原位置岩盤試験データを体系的に取りまとめ,今後の岩盤工学の発展に寄与することにある。すなわち,@既往の原位置岩盤試験データと関連資料の収集,AJGS「岩盤の工学的分類方法」を基軸にデータの整理と分析,および,B地盤技術者が容易に利用できる(出版可能な)形に取りまとめることである。なお,これまでの岩盤分類方法は構造物や事業主体毎に異なり,また,分類結果に当事者の主観的判断が入り易く技術者間の共通認識がえにくい難点があった。上記AのJGS 3811-2004;「岩盤の工学的分類方法」は,このような現状と国際規格(ISO)制定の流れを背景に,岩盤情報の共有化のための“共通言語システム”構築を目指し,国際的に認知された岩盤情報の取り扱い方−ISO14689-1;「岩の判別と記載」−をベースに,我が国初の統一基準として平成16年度に制定されたものである。
会 務 |
氏 名 |
所 属 |
委員長 |
吉中 龍之進 |
埼玉大学 名誉教授 |
副委員長 |
伊藤 洋 |
(財)電力中央研究所 |
副委員長 |
田中 莊一 |
(財)深田地質研究所 |
委員兼幹事 |
船戸 明雄 |
応用地質(株) |
委 員 |
太田 岳洋 |
(財)鉄道総合技術研究所 |
委 員 |
大野 裕記 |
四国電力(株) |
委 員 |
北川 隆 |
西松建設(株) |
委員兼WG主査 |
久保田 克寿 |
東京電力(株) |
委員兼WG幹事 |
小早川 博亮 |
(財)電力中央研究所 |
委 員 |
小山 俊博 |
東電設計(株) |
委 員 |
佐々木 靖人 |
(独)土木研究所 |
委 員 |
佐藤 弘行 |
(独)土木研究所 |
委 員 |
清木 隆文 |
宇都宮大学 |
委員兼WG主査 |
谷 和夫 |
横浜国立大学 |
委 員 |
西山 竜朗 |
愛媛大学 |
委 員 |
平井 秀幸 |
(独)石油天然ガス金属鉱物資源機構 |
委員兼WG幹事 |
細野 高康 |
(株)ダイヤコンサルタント |
委 員 |
森 孝之 |
鹿島建設(株) |
委 員 |
山口 勉 |
(独)産業技術総合研究所 |
委 員 |
福永 勧 |
本州四国連絡高速道路(株) |
委 員 |
吉田 次男 |
関西電力(株) |
旧委員 |
吉田 茂司 |
本州四国連絡高速道路(株) |
JGS 岩盤の工学的分類と原位置岩盤物性に関する研究委員会研究報告書 (PDF2.2MB)
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